JFEエンジニアリング労働組合×日清製粉労働組合
- 1
- 2

エンジニアリング業界の「働き方」と
「処遇」の今とこれからを語る
分業か、一気通貫か
─現場で変わる“働き方”のリアル─
- 島津:
- 我々日清製粉労組は最近、エンジニアリング産業労働組合協議会(以下、CEU)に加盟しましたが、そのご縁もあってJFEエンジニアリング労働組合さんと対談をさせていただく運びとなりました。今日はお互い率直にお話しできたらと思っています。さっそくですが、まずはエンジニアリング業界について、お互いの現場を知るということから始めたいと思っています。まずはJFEエンジニアリング株式会社についてどんな会社なのか、ご説明をお願いできますでしょうか。
- 冨田:
- JFEエンジニアリング 株式会社は、2003年に前身の日本鋼管(株)と川崎製鉄(株)の経営統合によってできたJFEホールディングス(株)のグループ会社の1つとしてエンジニアリング事業を行っている会社です。事業内容は主にごみ処理プラント、エネルギープラント、パイプライン、橋梁などインフラ関連の設計・調達・建設をメインにやっております。社員は約3,700名、うち組合員は約2,600名ほどです。ホールディングスの中のエンジ会社という意味では、日清エンジさんと同じですね。
- 林田:
- そうですね。日清エンジニアリング株式会社は当社グループのルーツである小麦粉の粉体加工技術を強みとしていて、現在は食品工場をはじめとして粉体機器販売や・ナノ粒子加工事業なども行っています。今回対談の中心に話があがるプラントエンジニアリング事業では、メインの担当者1人が最初の営業、設計から施工完了の最後までを担当するのが特徴で、非常に業務量はありますがやりがいの多い仕事でもあります。
- 生水:
- 当社の働き方は御社とは異なり、営業、基本計画、設計、調達、施工管理をして、最後は試運転という流れを部署ごとに分けて専任の担当者が行います。規模感が大きくなればそこにメンバーを追加していって5人チームで進めることもあります。御社のような営業から最後のお客様への引き渡しまで、メインの担当がやりきるというスタイルは、当社には無いので非常に新鮮でした!
- 島津:
- インフラ施設などの建設も多いので、規模がとても大きいですよね。昔から分業スタイルなのですか?
- 冨田:
- そうですね。当社では各セクションの役割分担が比較的はっきりしている印象ですが、扱う商品によってその程度にかなり違いがあります。事業分野が非常に多岐にわたるというのが当社の特徴ですが、当社には発足当時から続く主に大きな3つの事業本部があります。環境本部、エネルギー本部、社会インフラ本部と呼んでいますが、いずれにも共通する強みは国内における知名度と実績の豊富さです。それぞれの本部で顧客のニーズに最適に応えるための分担体制が敷かれているからこそ、例えば田中の所属していた事業部のようにメーカーの側面が強いモノづくりの現場は一気通貫に近い体制で、1人の担当者が川上から川下までやることも多いです。

- 田中:
- 私が所属していた部署では船舶用の中速エンジンを作っていました。技術者としては、原価見積りを作ってから調達を行い、設計図面も描いて試運転も自身で対応しますので、御社と同じような流れですね。
- 生水:
- 私は建設を担当していたのですが、そのプロジェクトに対してチームが発足する流れです。1つのプロジェクトが終わったら、そのチームは一旦解散。それぞれの担当はまた次のチームにアサインされていきますね。
- 島津:
- 建設の担当者は1つの現場が終わったら、その後また次の現場にという感じですか?
- 生水:
- そうですね、建設の担当は入社からずっと建設をしていることが多いです。ある程度経験を積んだ主任や所長は、計画業務などで本社に戻ってきてというケースもありますが、現場で工事の担当をしている若手、中堅くらいまでは、現場から現場へと家を移り住むということもよくあります。
- 林田:
- そうすると、例えば建設担当はその現場が終わったら、ある程度もうすでに設計などが進んでいる次のプロジェクトの途中から合流する形になるのですね。当社は設計から自身で担当するので、途中から現場に合流するというのに少し違和感があります。(笑)

- 林田:
- ちなみに設計や調達の部門なども、事業ごとに存在するのでしょうか?
- 田中:
- 設計は事業部ごとにありますが、調達は共通部門に近い形で1つに集約されています。その中で品目別に担当が決まっていて、各事業部から依頼を受けた担当は、例えば配管材であれば、配管材が必要な事業部のあらゆるオーダーを受けるという形ですね。
- 林田:
- 職種間や部署異動はあるのでしょうか?例えば調達から設計になど。
- 田中:
- そんなに多くはないですがあります。設計から一度調達に異動して、調達というものを知ってまた設計に戻るとか。現場の工事担当が調達に、もしくは設計と建設の間での異動もケースによってはありますね。
- 島津:
- JFEさんは大体1つの案件を担当するのはどれくらいの期間になるのですか?
- 生水:
- 私が直近いた中国地方の現場は2年ぐらいでした。機器の据え付けから試運転の完了までです。別の現場では、元々ある建物の解体からだったこともあり、解体して土を整備して建物を建てるまで5年半でした。これは社内でも長い方です。(笑)
- 林田:
- 5年…!苦笑
- 生水:
- 建設部門では、一人前とされるには大体10年くらいと言われています。工事の担当として2年間配管担当、機械の担当を別の現場で2年。他にも保温や塗装など、一通り全部の担当をやったよねというのが大体10年くらいで、ようやく責任者という感じです。
- 田中:
- 御社は営業も含めて担当されるとのことですが、どれくらいですか?
- 林田:
- 私が直近で担当したものは2年半くらいで、当社ではこれが長い方です。最初半年~1年ぐらい営業し、受注してからプロジェクトがスタートしますが、設計と調達を1年くらい、現場に出向いて1年間、試運転を行うというサイクルです。もちろんプロジェクトによりますが、メンバーは管理職の責任者が1人、実際に業務を進める担当者が1人、あとは、業務委託の方々などに協力していただくようなフォーメーションです。中堅どころの30代に入ると、メイン担当者として全体をマネジメントして進めていくのが基本スタイルです。
- 田中:
- 独り立ちするまでに時間がかかりそうとも思いましたが、2、3年で1周できるのはいいですね。我々に比べると早い。
- 林田:
- 最近はプロジェクトの大型化などもあり、2~3年のプロジェクトもありますが、基本は3カ月~半年程度のものを複数回担当し、できているかできていないかは置いといて、3年目くらいで独り立ちしていくイメージです。
- 田中:
- 全体感がわかるのはいいことですよね。
- 赤木:
- 当社は一気通貫で最初から最後まで自分でできるというのが他社と違うところでアピールポイントですね。お客様にとっても担当者が変わらないのは良いことなのかなと思います。JFEさんも分野も非常に豊富ですし、ダイナミックな業務をされている印象が強いですが、いかがでしょうか?
- 冨田:
- 当社の強みは、従来から得意としているプラントの建設だけに留まらず、新しい事業分野へ積極的に進出する姿勢や、運営事業への参画ノウハウの充実などといった部分にあると思います。例えば近年は国内洋上風力事業に参入し、洋上風力発電の基礎となるモノパイルの国内初となる製作工場を稼働させています。また、ごみ焼却プラントの分野では人口減少で地方のプラントの運営人員が不足する中で、当社が竣工した施設の運営まで一括して担うビジネスモデルが主流となりつつありますし、当社が建設した発電所を主電源とした電力小売事業も第4の柱になりつつあります。いずれの事業分野においても人々の暮らしを影ながら、実はダイナミックに支えているところがやりがいですね。
- 林田:
- プラントを「造る」だけではなく、その先の「運営」や「社会インフラとして支え続ける」ところまで事業領域を広げられている点が非常に印象的です。洋上風力や電力小売といった新しい分野にも積極的に挑戦されているからこそ、社会課題の変化にも柔軟に対応されているのだと感じました。
- 冨田:
- 御社では外部の仕事が増えていると伺いました。お客様の業種が多様化すると、同じ一気通貫とは言っても、お客様のやり方に合わせなきゃいけない部分も多くなってきませんか?独り立ちとはいってもお客様が変われば、今までの経験や知見や勝手が全然違うなんてこともありそうですが。
- 林田:
- 確かにプロジェクト管理のノウハウは蓄積されますが、技術に関しては5年目だろうと、新しい領域に入れば全員がフラットに一年生からのスタートです。正直、常に学び直すタフさは求められますが、裏を返せば、飽きることなく新しい知見に触れ続けられるということでもあり、その変化の多さこそが、モチベーションの源泉になっています。
- 赤木:
- 御社のダイナミックな業務ならではの苦労や大変さはありますか?
- 冨田:
- それぞれの事業、職種によって様々な苦労があるので一概にこれが大変と、断言はできませんが、それでもやはり大きな事業であればあるほど、社内外の関係者との利害調整は皆が共通して苦労する部分だと思います。エンジニアリング業界に携わる人であれば、皆納得してくれる気がしますが、プラントの建設においては自身の業務の最適解を追求すれば良いという訳ではなく、俯瞰した立場でプロジェクトの最適解を見つけ、そのために必要なアクションと調整を繰り返す必要があると思います。この点はダイナミックな案件になればなるほど、より難しくなる部分ではないでしょうか。
仕事も大事、家族も大事
-エンジ業界のホンネと実態―
- 田中:
- 先ほど、当社では大きく3つに本部が分かれていて、さらに商品毎に事業部があり、縦割りになっていると話しましたが、基本的に技術者は事業部間の異動がありません。
- 冨田:
- 結果として、入社して最初に所属した事業部の中で経験値を積んでいくしか会社のキャリアプランの選択肢がないというのが課題でした。一方で若い人たちはいろいろな経験を積みたいという意識があるのを会社は認識していて課題感を持っている。
- 生水:
- そこで社長から部署間異動を全社でやりましょうという話になりまして。昨年度からジョブローテーション制度を取り入れて、若手を中心に職種間の異動や、事業部間の異動もやっていきましょうという動きになってきています。
- 生水:
- 3つの大きい本部では、それぞれ受注の山谷が結構あるのですが、3本部がまったく異なる商材を扱っているからこそ、売上のバランスが取れているというところもあります。受注が谷の傾向のときは、山の本部へ異動や応援に行くなどの事業部を超え本部間での異動もやり始めようとしており、これは当社には今まであまりなかった考え方だったので、少しずつ会社の考え方も変わってきている雰囲気を感じます。
- 林田:
- 入社前は「この仕事をやりたい」と思っていても、実際に入社してみると、他の仕事にも魅力を感じて「これもやってみたい」と思うことってありますよね。
- 赤木:
- ジョブローテーション制度で関連する業務を経験することで、視野が広がり経験の幅や知識の深まりにもつながるのでいい取り組みですね!ジョブローテーションと言うと挙手制で実施しているのでしょうか?
- 冨田:
- 挙手制ではなく、全員ある一定の年次になったら会社と面談を行っています。
- 島津:
- なるほど。話は少し変わるのですが、JFEさんのキャリアでも長期出張や赴任という働き方に対しての課題感、例えばワークライフバランスの取りづらさなど課題感はありますか?当社だと2年要する案件があるとすれば、本社で働きながら1年、その後、現場にて1年、現場が終わったらまた東京に戻ってきて、というような働き方になります。当社は赴任という形ではなく長期出張という扱いなので家庭を持っている方は、小さい子供がいても別居手当とかは出ないんですよね。
- 生水:
- 我々も同じような課題はありますよ。長期の工事に行くような方でも、赴任じゃなく出張扱いになるケースが多いですね。ただ、1つの選択肢としてそこに家族を連れて行っても出張となる、「家族帯同工事出張」という制度があります。出張先に配偶者や家族が転勤をして付いていくという趣旨の制度です。
- 赤木:
- 家族帯同工事出張は斬新ですね。でもそうなった場合、もといた住居の扱いなどが気になりますが…。
- 生水:
- 独身の人が工事に行く場合は現場で賃貸を借りて、元々の住居は残したままにする形で、家族で行く場合にはその地に引っ越しをして住民票ごと移して居住します。別居と同じように相応の手当が支払われるなどもあって、会社としても現場で働く人たちが極力家族と過ごせる時間をつくりたいということで作られた制度です。
- 林田:
- 例えば新婚や出産の時期であっても家族が一緒に居られないケースも当社ではあるのですが、人によって選択肢があるのは凄く良いですね。ちなみに、最近は共働き世帯も多いと思いますが、それでもその制度の運用率は高いですか?現場への引越しとなると当社では必然的にほとんどが地方になるので…。配偶者が働いていて、家族で引っ越すというのはハードルが高いこともあるなと。
- 冨田:
- 配偶者の仕事やそれこそライフイベントのタイミングなどもあるので、全員が使うかというと、そうではないと思います。ただ、社員や家族を含めた家庭や仕事の両立を行う上での1つの選択肢として認識されていて欲しいです。また、最近組合に届く声として増えてきたなと感じるのは、自分ではなく配偶者側のキャリアに合わせるから、その期間だけ休職させてもらうことはできないか?というような声です。アンケートや直接声をいただく場合もあるのですが、そういう声には応えられていないというのが現状です。みんなが相手の仕事に合わせて2、3年休職すると、本当に人員がいなくなってしまうので、会社はそれを制度化することに対して消極的な姿勢がありますし、会社側の考えもわかるからこそ、どうするべきなのかなっていうのは日々悩みながらですが… 1つずつ声に耳を傾けるのが大事だなと思っています。

- 島津:
- 当社では、ちょうど2年前の2024年に「配偶者同行休職」という制度ができました。配偶者の転勤によって帯同するとなった場合に、最大5年間休職ができるという制度なのですが、使えるのは現状1回きりです。配偶者が海外に行く場合に制度を利用することが多いので、特にお子さんが小さい時に、家族でついていくケースが多いですね。
- 生水:
- 休職できる制度があるのも良いですね。現状当社では採用の段階から施工や建設の仕事を理解して貰うように説明していて、入社してから聞いていた話と違う!ということにはならないよう、離れて暮らすことがあるというのはある程度、ご家族も含めて理解してくださっているというケースもありますね。
- 林田:
- 当社も多くはないですが、やはり家庭との両立やライフプランの立てづらさから退職するという人もいます。家族がいてもいなくても仕事の仕方として、どうしても誰かが現場に行かなければならないので、そういった時に一人でも多くの方に様々な選択肢やサポートをしていきたいですね。
- 生水:
- 同じですね。私のように現場をやっている社員も、結婚や子供ができたときには入社時に言っていたこととは真逆の考えに…(笑)。私も「日本全国どこでも行きたいです!」って言って入りましたし。ただ、組合としては極力そういう社員にも寄り添いたいなというのもあって、直近の春闘では、諸要求として出張先からの帰省回数の回数を増やしました。
- 冨田:
- これまでは単身・世帯あり関係なく、月2回は帰省するための旅費が支給されていましたが、今回は世帯ありの場合に1回増やし、月3回帰省ができることになりました。これもやはり家族と過ごす時間というのを意識していまして、例えば社員は現場を休めないので、家族が現場に来るという時にも1人1回使用できます。(配偶者と子供が現場に来る場合には2回分/月を使用するという形)
- 林田:
- 工事だと休みが不定期なので家族が来てくれるのはリフレッシュにもなりますし良いですね。例えば連れてこなかった場合に対する保証、手当、繰越しできる権利というのはないですか?
- 生水:
- ないです。例えば独身の人が月2回とも使わなかったからといって、保証や繰越しのようなものはないですね。
- 冨田:
- だからこそ今ある帰省の権利を使って、家族との時間を増やしてしっかり家族孝行してくださいという会社のメッセージとして、今回3回になったというのはありますね。
- 島津:
- 会社としては家族の時間を大切にしてあげたいという、一緒にいるために1回増やしますよっていう、そういう趣旨だったということですね。
- 冨田:
- そうですね。組合としての要求もそういうメッセージを発信ました。独身の方と差をつけるつもりは全くないんですけども。ただ、働く中で地方への現場に赴任して働くことにためらいを覚えてしまう人っていうのは、お子さんが小さい時とかがボリュームゾーンというか、それは多分どこの会社でも似たような課題があるのだろうと思います。まず家族と会う時間というのを大切にしてもらうことを目的に要求しましたから、会社もそれに応えてもらったということかと思います。

“人が資産”の受注産業
─賃上げ(ベア)の物差しはどこにある?─
- 島津:
- 働き方の部分とは話が変わり、春闘に関する話も気になっていました。エンジニアリング業界は案件が年単位になったり、1つのプロジェクトが何十億とか何百億とかっていう単位になってくると、その受注によって年度ごとの売上や利益が大きく変わり、また社会情勢にも影響されやすかったりすると思うのですが、春闘の賃上げを考えるとき、JFEさんはどのようにお考えになるのでしょうか?
- 島津:
- 当社では日清エンジを含めたグループ会社4つが日清労組の仲間で、その4社を合わせて1つの要求というスタイルです。今年は14,000円の賃上げを掲げて、全社13,000円という妥結結果でした。会社が特に比較・注視をしているのは食品業界他社ですが、エンジの組合員からすると、ベンチマークとして欲しい業界は食品だけでなく建設やエンジニアリング業界というのがありまして…。
- 冨田:
- そうですね。賃金改善という観点では、JFE労組としてまず参考にしているのは重工業系の会社です。 というのも、新卒採用の入社後アンケートを見ると、学生が比較対象として意識している業界として重工業系が上位に挙がるためです。
また、私たちが所属している上部団体の「基幹労連」には、そうした重工業系の会社も多く加盟しているため、賃金水準や労働条件に関する情報も自然と入ってきます。
なおかつ統一要求も出してくるので、その金額というのは我々が検討する重要なポイントとなります。今期は16,000円の一律のベースアップ要求で、満額で妥結しました。
- 生水:
- 当社の賃金改善の要求方法としては、JFEグループ全体ではなく各社ごとに要求案を決めますが、JFEグループがホールディングス制を採用している以上、組合も要求案を考えるにあたって、グループ会社間のバランスを無視は出来ません。例えば、当社の業績がすごく良いからといって賃上げ要求で一人勝ちをするようなことをやれるかというと、必ずしもそうではありません。グループの組織の中に「JFE協議会」という集まりがありますので、そこで協議をしています。
- 田中:
- 今までの春闘を見ると、どこかのグループ会社がすごく業績が良いときにそこだけが一人勝ちする、一人負けするというものはなかったと思います。各社がある程度納得感が得られるようにやってきたのかもしれません。ただ、それは昨今の大幅なベアが出る前の話なので、ここ1、2年で考え方が変わり、同じようなやり方は難しくなってきていると感じています。今回の妥結結果はグループ間でも顕著に差が出る結果となりました。やっぱり人手不足なので良い人材を確実に確保しようと考えると、より広い同業他社を見てどこに優位性を付けていくのかが重要だと思います。
- 田中:
- 当社では建設業界のほかにも、エネルギーやガスとか、我々のお客様にあたるような業界に転職してしまう方もいるんですよね。ですので、会社はお客様にあたる業界の処遇や賃金も含めて見ていると思いますし、我々としても要求水準を組む時にはそういった業界も見て決めていくという形を取っています。
- 島津:
- やはり昨今の人材確保競争を踏まえると、各社ごとに競合他社や採用市場を意識した判断が必要になっている感じですね。ちなみに一時金もグループでのバランスを見られていますか?それとも一時金は各社の業績によりますか?
- 冨田:
- はい、一時金は各社の業績連動でやっていますので、関係はありません。また、業績に応じて適宜会社とも協議を行うこともあります。
- 赤木:
- ありがとうございます。賃上げを要求するにあたって具体的に取り組まれていることはありますか?日清労組では、まず賃上げ要求可否を、「物価」「生活水準」「優位性」の3つの観点で検討し、要求にあたっては組合員の頑張りの声を集めるということをしています。組合員が今期の業績に貢献したことと、生産性向上に取り組んだこと、この2軸で11月と2月の2回声を集めていて、実際の春闘の場でも会社側に読み上げ、議事録にも掲載しています。実際の組合員の生産性向上や業績貢献の取り組みが賃上げの原資になり得るという考え方です。
- 田中:
- アンケートを行っています。賃上げを要求する上で何に重きを置くかを考える際に、ひとつは「物価上昇」に対するベースがあって、そこにプラスして「採用と定着」について訴えています。採用と定着については、新卒とキャリア入社の方がどう受け止めているかを組合のアンケート結果から、当社の給与面に魅力を感じられているかどうかを見ています。後は先ほども述べたように我々と近しい他業界や採用の観点でも競合になり得るような企業の業績や要求額を当社の業績等と比較し、人材や給与面での優位性を会社に訴えて決めていきます。
- 生水:
- 今、当社としては10年後に売上を1兆円にしようという経営計画がありまして。現状6千億円程度なので、会社としてはプレスリリースも出しており結構チャレンジングな数字ですが、そこを目指して頑張っていこうという想いがあります。
- 生水:
- その高い目標を達成するには、やはり人が大事だと思っています。エンジニアリング業界は受注産業であり労働集約型の産業なので、とにかく人が資産になります。限られたマンパワーで目標を達成するには、それなりの賃金水準やインセンティブ、当社としての魅力がないと当然他社に転職してしまいますので、組合として会社にも様々なメッセージを伝えております。
- 冨田:
- こういったメッセージを賃上げの要求根拠として会社に伝えてきたからこそ、今年の春闘の結果というのは、非常に業績が良かった重工系各社に負けないようにと回答を示してもらったのだと思います。
- 赤木:
- ありがとうございます。お客様にあたる企業も含めて幅広く比較検討されていて、会社の方針も併せてベアの要求根拠を練られているということがよく分かりました。エンジニアリング業界では本当に人が重要になっていますし、人材採用と定着を考えるうえでもベアに対する想いというのは非常に重要ですね。
- 赤木:
- エンジ業界の方々にお会いする機会がとても少なかったので、貴重なお話を聞くことができて学ぶことが多い対談となりました!似たような境遇も多く、参考になる制度もあり、我々ももっと頑張っていこうと思えました。本日は貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました!開催日:2026年4月13日
- 1
- 2





