第3回 「諸要求、
どうなってんの?」
登場人物は想像上の存在です。類似する実在の人物への誹謗中傷等はお止めくださいますようお願い申し上げます。
- ミタ:
- …。
- コモリ:
- どうした、めずらしく神妙な顔じゃないか。
- ミタ:
- ガッキーが…。
- コモリ:
- え?
- ミタ:
- 俺のガッキーが…。世界が灰色に見える…。
- コモリ:
- いや気持ちは分かる。分かるけども。それ5月でしょ。高校生の初恋並みに引きずるやん。
- ミタ:
- それな。
- コモリ:
- そ…それな!? …SORENA ??
- ヤマシタ:
- いやー、暑い暑い。もう8 月か。67 期ももうすぐ終わりだね。
- コモリ:
- それな…。ハッ。
- ヤマシタ:
- ん?
- ミタ:
- コモリさん、失礼ですよ、委員長に対して。いやーにしても暑いな。
- コモリ:
- ( 富士の樹海に埋めてやりたい…)
- ヤマシタ:
- まあ、67 期もいろいろあったけれど、68 期は「諸要求」を春闘交渉に乗せるという大きなテーマがあるからね。
大変になりそうだね。
- ミタ:
- 諸要求って、そんなに大変なんすか?
- ミタ:
- うーん、よくわからないんですけど、とりあえずストライキしちゃえばよくないですか? 会社が言うこと聞いてくれないならストライキしましょうよ。
- コモリ:
- 交渉ってそういうもんじゃないから。それスーパーでお菓子買ってくれないからって駄々こねてるうちの子と同じだから。
- ミタ:
- いろはちゃん、何が欲しいの? おじさんが買ってあげるよ。
- ヤマシタ:
- おじさんも買ってあげよう。
- コモリ:
- 貴様らに娘はやらん、絶対にだ!
- ミタ:
- それで何の話でしたっけ?
諸要求の「検討」って?
- ヤマシタ:
- 6 月の第2 回支部代表者会議では、各支部から挙がったのべ14 件の要望に対して、2022 春闘での要求可否に関する本部の見解を「〇」「△」「×」でそれぞれ示したんだよね。
- ミタ:
- 「〇」は 2 件。これは「要求する」で、「×」の5件は「要求しない」。「△」はどういうことですか?
- コモリ:
- 春闘での要求にはそれなりの「根拠を伴った準備」が必要になる。現段階では、要求したいことの趣旨は理解できるものの、会社と交渉できるだけの視点がまだ見え切っていない、というところかな。これらについては、改善したいことの本質が何かによって、これから本部でも対案を出していくことも考えられる。要求として掲げるかどうかは、これからの支部との意見交換次第になるな。
- ヤマシタ:
- 「×」の5件も、春闘交渉での要求としては取り扱わない、ということになるけど、労使協議の中で話題として、会社に改善を促していくものもあるね。
- ミタ:
- なるほど。例えば「資格手当の新設」は「△」ですけど、何をこれから検討するんですか?
- コモリ:
- そうだな。資格にもいろいろあるわけだが、まずは「資格を持っている」ことを対象とするかどうか、だな。
- ミタ:
- 資格かぁ、あ、俺、空手初段ですよ。こう見えて。資格手当出ますかね?
- ヤマシタ:
- …。
- コモリ:
- …。
- ミタ:
- …。
- コモリ:
- わかってるようだな。つまり、「その資格が現在の仕事をするうえで必要か」という観点を持つことが1点目の検討事項になるな。
- ヤマシタ:
- 資格にもいろいろあるしね。
- ミタ:
- 「公認サンタクロース」とか?結構難しいらしいですよ。話、聞いてた?
- コモリ:
- どれどれ。受験資格は「サンタクロースとしての活動実績がある」「結婚していて子供がいる」「他国の人と話せる語学力がある」。
- ミタ:
- そして「サンタクロースの体型をしている」。…。
- ヤマシタ:
- …。
- コモリ:
- なぜ私を見るんですか?
- ミタ:
- 服装込みで120kg 基準みたいですよ。
- コモリ:
- うーん、努力次第で春闘シーズンにはいけるかも、って何の話やねん!資格も業務上必要なものかどうか、という観点が必要だ、という話でしょ!
- ヤマシタ:
- 業務に生かせる資格、というのはいろいろとあると思うのだけど、今回要望で上がっていることの本質を考えると、会社の事業運営にあたって必要で、資格保有者にそれなりの責任が伴う、ということが要件になってきそうだよね。
- コモリ:
- そうですね。そういう観点で、資格を持つことと、そのことによって発生する「責任」を合わせて「手当」が支給されるべきものは何かということを具体的に検討していくことになります。
- ミタ:
- 公認サンタクロースは事業運営に必要だと思います!社員のモチベーション向上に必須です!ニンテンドーswitch が欲しい!
- コモリ:
- ただの私利私欲やないかい!
これから「諸要求」を掲げるまで
- ミタ:
- 実際、いつまでに「要求案」は確定させることになるんですか?そして、そこに至るまでの組織議論はどのような過程をとっていくのですか?
- コモリ:
- 急にジャーナリストっぽくなるのをやめなさい。まず、1つ目のポイントは9月下旬から10
月上旬にかけての支部訪問になる。ここで、中執で話し合ってきた「△」項目の「〇」「×」振り分けについて説明する。そして、2つ目のポイントは11 月下旬から12 月上旬にかけての第2
回支部訪問。ここで、要求の具体案を固めて、年明けの第3 四半期決算発表後に、一時金水準やベースアップとあわせて、要求案を決定していく。
- ヤマシタ:
- 項目が多いだけに、組合員のニーズをとらえて、どこまで絞り込むか。「絶対獲得できるから掲げる」というわけではないけど、とにかくなんでも掲げる、というわけにもいかないからね。
- コモリ:
- そのあたりは、今回まったく初めての取り組みでもある中で、支部の皆さんともよく意見交換して、掛け違えのないようにやっていかないといけないってことですね。
- ミタ:
- 間違いない!
- コモリ:
- いまさら長井秀和だっていい。昔の一発屋芸人は小学生の時の友達みたいなものだ。5年に1回くらい懐かしくなる。どうもありがとう。
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